相続・遺言

2013年2月13日 水曜日

遺留分の放棄

こんにちは。山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。

以前、遺留分の話をしたことがあるかと思いますが、その放棄について話したいと思います。

遺留分は本来法定相続した場合に受ける権利(もちろん義務も)を相続が発生する前から推定相続人は一応期待して待っている(?)一種の期待権を一定の限度で保護しようという制度です。
遺言で相続人とは違う別の第三者に遺贈してしいたことが判明し、全部第三者に渡さなければならない、そういうことがないようにするための制度ですが、そもそも相続はしたくない、いらない(将来遺留分権を一切主張しない)という人のために遺留分の放棄という制度があります。

この放棄は相続が開始した後はもちろん、相続開始前にもすることができます。
ただし、相続開始後は家庭裁判所への届出で済むのに対し、開始前は家庭裁判所の許可が要ります。
なぜ開始前には許可がいるのか、と言いますと、生前に無理やり放棄させておいて相続開始した時に文句を言わせないとか、遺留分放棄しておくと、相続開始後の遺産分割に参加させずに協議できるのでその分割をしやすくするための便法として使われる恐れがあるからです。
その点意思確認など慎重に家庭裁判所は判断します。

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2013年2月11日 月曜日

相続財産管理人と不在者財産管理人

こんにちは。山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。 前々回に相続財産管理人とのみ書きましたが、もう一つ不在者財産管理人の制度もありますので併せてお話します。 相続人の一部が行方不明の場合と全て行方不明の場合とで選ぶ管理人が変わってきます。 一部行方不明の場合は不在者財産管理人、全員行方不明の場合は相続財産管理人の選任申立てをします。 相続財産管理人を選任する場合は全員行方不明ですので、申立てをする人は次順位の相続人や成年後見人などの利害関係人になろうかと思います。 実務では、管理人に弁護士を選任することが多く、申立て時にその費用を確保するために予納金として申立時に50~100万円納めなければならず、申立て手続を自分で行ったとしても費用のかかるものになります。現状ではなかなか気軽に使える制度ではないですね。 ですので実際は、相当財産があって早急に遺産を分割しなければならないケースとか必要性がある場合になされることが多いようです。

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2013年2月11日 月曜日

相続財産管理人と不在者財産管理人

こんにちは。山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。

前々回に相続財産管理人とのみ書きましたが、もう一つ不在者財産管理人の制度もありますので併せてお話します。
相続人の一部が行方不明の場合と全て行方不明の場合とで選ぶ管理人が変わってきます。

一部行方不明の場合は不在者財産管理人、全員行方不明の場合は相続財産管理人の選任申立てをします。相続財産管理人を選任する場合は全員行方不明ですので、申立てをする人は次順位の相続人や成年後見人などの利害関係人になろうかと思います。

実務では、管理人に弁護士を選任することが多く、申立て時にその費用を確保するために予納金として申立時に50~100万円納めなければならず、申立て手続を自分で行ったとしても費用のかかるものになります。
現状ではなかなか気軽に使える制度ではないですね。

ですので実際は、相当財産があって早急に遺産を分割しなければならないケースとか必要性がある場合になされることが多いようです。

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2013年2月 9日 土曜日

失踪宣告について

こんにちは。山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。

まず失踪宣告ですが,民法上、普通失踪と特別失踪というのがあります。

普通失踪とは、行方不明になったときから起算して7年以上経過した場合に家庭裁判所の審判により死亡したとみなす制度です。7年経って審判が確定した時に効力が生じます。

特別失踪ですが、具体的には戦争、地震などの天災地変、飛行機の墜落、船の沈没など危難に遭遇して行方不明になったとき、1年間生死が定かでないときも家庭裁判所の手続になりますが、効力が発生するとその危難が生じた時にさかのぼって死亡したとみなされる制度です。

こちらは戸籍に記載され、相続が発生したものとして進めることができます。
ただし、実際は亡くなっておらず、どこかで生きていた場合は亡くなったとされた人の権利などは消滅せず、失踪宣告の審判取消しをして元に戻すことになります。
この場合元に戻すべき財産は生きていたことを知らなければ現存するものだけを返せばよいとされています。

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2013年2月 5日 火曜日

失踪宣告と相続財産管理人

こんにちは。山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。

今回は、再び相続関係の話に戻ります。

相続が開始して、戸籍で相続人を特定したのはいいものの、実際に戸籍の附票(住所のみの履歴を示す戸籍とは別の附属資料)の住所にはおらず、どこにいるのかもわからない、それどころか生きているかもどうかわからないといったことも考えられます。

それまで疎遠だった場合はいざ相続が開始してどうすればよいか迷うこともあるかもしれません。

このままでは遺産分割協議を行うことができませんので、また別の手続を進めることになります。それが失踪宣告や相続財産管理人の制度です。(続く)

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