贈与・売買

2014年10月17日 金曜日

生前贈与をする実益(終)

こんにちは。大阪市中央区・心斎橋の山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。

今日は今まで話してきました生前贈与についてまとめたいと思います。
贈与税は基本かからないという前提で話します。

生前贈与をした方がいいといえる場合とは、不動産取得税を払ってでも、相続登記よりも高い贈与の登記の免許税を払ってでも、生きている間にあげたいと思う人に名義変更したいと考えているなら検討すべきということです。

そして、さらに特別受益や遺留分に引っかからないような贈与割合にしないといけません。
後で一部取り戻し請求されないような贈与にしないといけないのですが、特別受益はクリアしても遺留分は必ず引っかかってくるので不動産の贈与については難しいと考えられます。
なぜなら遺留分の算定については財産すべてに均等にかかってくるからです。いくら現金があったとしても不動産だけ除外はできません。

そのため不動産の贈与による名義変更は親族間に争いがある場合は難しいと考えられます。

結局、争いがない場合で生前に相続時よりも費用がかかっても名義変更しておきたいという限られた場合に意味があるということになります(終)。

※贈与・売買登記等の名義変更のことでご不明点・お困り・お悩みがおありでしたら、お気軽に当事務所までご相談ください。初回無料で対応いたします。

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2014年10月15日 水曜日

生前贈与をする実益(6)

こんにちは。大阪市中央区・心斎橋の山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。

前回の特別受益の話の続きです。
特別受益となったときに他の相続人に返還しないといけない場合とその額は、特別受益額が他の相続人の遺留分を侵害したときのその侵害額、または被相続人の持ち戻しの免除の意思表示でその意思表示したことにより他の相続人の遺留分を侵害したときのその侵害額になると話しました。

具体的に生前贈与をする実益(4)で述べた事例で説明します。
5000万円が相続財産となりますと、法定相続分は、母は2500万円、子どもはそれぞれ1250万円となり、遺留分はその半分ですので、母は1250万円、子どもはそれぞれ625万円となります。
実際残っている相続財産は3000万円で贈与を受けた相続人は0円ですので母と贈与を受けていない子でマイナス750万円を当初の相続比(2:1)で負担するので減額後は母は2000万円、子どもは1000万円の相続となります。
今回のこの場合は母と子共に遺留分の金額以上相続できたことになるので特別受益については返還義務を免れることになり、生前贈与で相続分以上贈与したことに意味があります (続く)。

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2014年10月12日 日曜日

生前贈与をする実益(5)

こんにちは。大阪市中央区・心斎橋の山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。

前回の特別受益の話の続きです。

特別受益の対象となるのは、被相続人となった人からの遺贈を受けた人、婚姻や養子縁組に際しての贈与を受けた人、生計の資本としての贈与を受けた人(これらすべて相続人以外の人は除きます)になります。

被相続人となった人は生前に特別受益を相続財産に組み入れ(持ち戻し)ないでほしいという特別受益の持ち戻しの免除の意思表示を遺言などで表示しておくことができます。

ただし、これも遺留分を侵害しない範囲にとどまります(続く)。


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2014年10月10日 金曜日

生前贈与をする実益(4)

こんにちは。大阪市中央区・心斎橋の山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。

前回に続き、生前贈与による名義変更の際の注意点について、今日は特別受益の話の具体例を話します。

父母と子ども2人いる家庭を想定して、父の財産が父の死亡時点で3000万円あったとします。
ただし、父の死亡前に生前贈与で子の一人にすでに2000万円贈与していたとします。

そうなると相続財産の総額の計算としては3000万円に2000万円加えた5000万円が相続財産となります。

それを法定相続分で分けると、母は2500万円、子どもはそれぞれ1250万円を受け取る権利がありますが、
生前贈与を受けていた人はすでに1250万円以上受け取っていたので今回の相続では受け取る財産は0円となります。
このオーバーしている750万円を特別受益といいますが、他の相続人に返還する必要はありません。
しかし、他の相続人の遺留分を侵害していた場合は侵害分は返さなければなりません(続く)。

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2014年10月 8日 水曜日

生前贈与をする実益(3)

こんにちは。大阪市中央区・心斎橋の山田司法書士・土地家屋調査士事務所の山田です。

前回に続き、生前贈与による名義変更の際の注意点について、今日は特別受益の話をします。

相続が開始したときに、生前に贈与で財産をいくらか受け取っている人がいた場合に、相続時の財産を相続分に応じて分配したとしたら生前に贈与を受けていた人は実質相続分よりも多くの財産をもらったことになり、生前贈与を受けていない人との間に不公平が生じる場合があります。
それを是正することを目的とした制度が特別受益の制度です。

生前贈与を相続分の前渡しとして考慮し、相続時の財産に生前贈与の財産価額を加えてそこから相続分で分けることになります(続く)。

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